トップライトのデザイン
もともとの住宅にあった温室も、検討事項の1つでした。
その温室上部にある大きなガラスのトップライトが改修のポイントでした。
このトップライトは開閉しません。
冬には太陽の暖かさが取り入れられますが、夏は暑さの源です。
以前の改修で上部に熱気抜きの穴は開けてありましたが、さらに窓を取り換えて新しい形状の窓を取り付けるのか?
それを行えば効果がないとは言えませんが、費用も工事も大規模なものになります。悩ましい検討項目の一つでした。
そこで、パソコン上でモデルを製作し、夏や冬のトップライトからの直射光の入り具合を検討しながら、決断をしていきました。
現状の窓形状での冬至、夏至の直射光の入り方を確認したところ、どちらもトップライトからの直射光が室内にたくさん入るような形状ではないことが明らになりました。
また、突き出したような現状のトップライトの形状から、窓の位置や形を変えても、室内への影響が大きく変わることもなさそうだ、、ということが理解できました。
そこで、大きな工事費を掛けて小さな効果を得ることはやめ、現状の窓を前提として改修を進めることになりました。
現状のトップライトの形状であっても、冬はガラス面からの日射を取り入れて暖かさを得る装置として有効に利用できます。
そこで夏対策として、トップライトのガラスの外側に日よけを付けられるような手すりを設け、夏は外付け日よけで日射を遮蔽し、上部の通気口から熱気がぬけるように考えました。
既存を活かす方向を決めたあとは、通気口に色を付け、ガラリを設けることでデザインを整えていきました。
ショールームとして活用する場所にあるこの温室には、これから植物が入り、屋外と室内をつなぐスペースとして活用されていく予定です。
かかる手間と費用、効果を見極め、有効な改修内容を選択していくことが大事なのです。