エコリフォームの目的は、使いやすい間取りへの変更とともに、暖冷房に使う電気使用量を減らしつつ、これまでよりも夏涼しく、冬暖かい家にすることでした。
リフォームの内容はこちらへ
そこで、2011年秋に自宅のエコリフォームを終え、丸1年の光熱費のデータが揃ったところで、改修前後の比較をしてみました。
結果から言うと、電気の使用量は改修前と比べて、約32%減りました!
つまり、
冬は暖房をあまり使わなくても暖かく、夏はエアコンをほとんど使わなくても十分涼しく過ごせるようになったということになります。
冬は当然といえば当然の結果ですが、夏の成果に少し驚いているとともに、自然を活かした心地よい家の有り方を体感的に気付くことができたことが大きな成果です。
結果をもう少し詳細に整理してみました。ご興味のある方はどうぞ
我が家の電力の使用目的は大きく3つに分けられます。
1)暖を得るため:電気ストーブやパネルヒーター、(ホットカーペット:改修後は未使用)
2)涼を得るため:エアコン
3)その他: 照明、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、テレビなど
それぞれの改修前後の割合を比較してみたのが、上のグラフです。
主に室内の環境調整は両親が行っています。彼らの改修前後の行動の変化から効果を以下にまとめてみました。
1)暖を得るために使う分としては、約45%削減されました。
断熱材を入れて窓を2重サッシにしたので、建物の保温効果がUPし、太陽からの日射と室内で発生する熱(調理時や家電、人体からの発熱)だけでもかなり暖かく過ごすことができます。夜間や曇りの日、北側の部屋以外はあまり暖房器具のお世話になることがなくなりました。
2)涼を得るために使う分としては、約80%削減されました。
実は一番驚いたのは、夏の効果です。
通常は建物の保温効果をあげると、夏の暑さも保温するのでエアコンの使用量が増えると言われていますが、我が家ではそういったことにはなりませんでした。
以前はコンクリート無断熱の建物のため、昼間の暑さが壁などに蓄熱して、夕方や夜間にじわじわと放熱が始まり不快な暑さを生んでいました。その不快を解消するために毎晩エアコンを使っていました。
今回の改修でコンクリートの室内側に断熱材を入れて熱がたまらないようにしたことと、風が通るような間取りに変更したことで、体感的に過ごしやすくなり、わざわざエアコンを使って冷房をする必要があまりなくなったようです.
空気の温度を実測すると、窓を開けて風を通しているので、日中は室内でも28~32度になり、これで大丈夫なの?と思うような状況ですが、夜になって夜風が室内に入ってくるとちゃんと気温も下がりますので、家で穏やかに過ごす程度であれば、冷房で冷やすよりも快適に感じることができるようです。
心地よさは気温の高い低いではないことを身をもって実感できました。
昼は多少暑くても風通しがよければ身体もそれほど負担には感じないようです。問題は、夕方から夜にかけて外気温の低下に応じて室内の環境も涼しくなっていけるかどうか、、ということのように思います。
夜になっても屋外環境が涼しくならないところは別にして、ほとんどの住宅地においては、昼は暑くても夜はほどほど涼しくなります。
そういった自然現象ときちんと連動した建物の熱環境になっていることが、自然を活かした心地よい住まいなのだと思います。
3)その他としては、18%の削減になりました。
今回のリフォームに合わせて、10年程度使っていた冷蔵庫を最新型に変えました。この効果が一番大きいと思います。
照明器具に関しては、LEDを導入するというよりも、最小限の個数とWに変更しています。必要以上に使わない、、これが削減に一番効果的です!
最後に、
改修前と改修後で夏の暑さや寒さはどうなってたの?
ということへの回答資料を付けておきます。
この図は、改修前後の月別の電気使用量と、千葉市の平均外気温を比較したものです。
夏は、若干改修前の方が暑く、冬は若干改修後の方が寒い感じでしょうか。
32%削減したよ!というデータはこのような状況での比較になります。
数年間継続して記録して、これからも発見したことをUPしていきたいと思っています。