窓の断熱性を高めると、とても快適になります。
とくにマンションなどの集合住宅の場合は、窓を改修するだけでも、室内の熱環境が大きく変わります。
集合住宅の場合は、お隣さんとの戸境壁は外気と接していないのであまり熱が逃げませんが、外気と接している窓は大きな熱の逃げ道になっています。そこで窓を改修することで、熱の逃げ道が劇的に少なくなるので室内の熱環境も改善されるというわけです。
その窓の改善方法ですが、
窓が共用部である集合住宅の場合は、室内側にもう1つ窓を取り付けて断熱性を高める内窓(インナーサッシ)方式が欠かせません。
一般的なのは樹脂性のサッシによる内窓ですが、
木や漆喰などの自然素材を使ったエコリフォームであれば、内窓だって木で作りたいもの。
いわゆる木製サッシ(枠も扉も一体で製作されたもの)を内窓に使うことも可能ですが、防水性が不要な内窓には機能が過剰で、価格も高価になってしまいます。
では、障子やふすまのようなイメージで木の内窓を作れば!と考えたのですが、実はこれがなかなか困難なのです。
内窓の大事な性能は気密性です。せっかく2重窓にしても室内の湿った暖かい空気が窓と窓の間に入り込むと、結露が発生したり、期待通りの暖かさが得られないことになります。
ところが、ふすまや障子の機構を創造していただければ解ると思いますが、引き違い戸で気密性を確保するのはとても難しいものです。
木の内窓にしたいけれども、性能が確保できないのは。。。と悩んでいたときに紹介してもらったのが、加藤木材工業さんが開発した木製の内窓です。
思考錯誤の結果、
変形しない構造として、性能のいいパッキン材を使い、さらに空気が漏れないような細かい部分の納まりを工夫したことで、木製の引き違い戸であっても高い気密性を確保したそうです。
重量感のあるしっかりとした建具が”しゅっ”と動き”ピタ”と閉まります。
今回は、西川材という埼玉県産の杉を表面材として使用しています。木目が綺麗なことが西川材の特徴だそうで、いい感じの存在感があります。
壁や床、天井だけでなく、窓にも自然素材である木を使うと、ガラリと雰囲気が変わります。
しかも性能もあきらめない。
自然素材によるエコリフォームにぴったりです。
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