太陽の温かさや明るさ、自然の風など、自然を活かして室内環境を調整する建物をパッシブ建築と言います。パッシブ建築は地球環境に配慮した建物として評価されていますが、100%自然の力だけで室内環境を調整しているわけではなく、パッシブ的な工夫が施された建築に、冷暖房や換気設備、電灯照明といったアクティブ技術を組み合わせて快適な室内環境を形成しています。
近年は、便利で高効率なアクティブ技術(冷暖房や電灯照明)が一般化したため、建物の使用者に何も働きかけをしなければ、窓の開け方を工夫して涼を得たり、自然光で明るい部分を消灯したりといった行動よりも、暑ければ冷房、寒ければ暖房、部屋に入れば無意識に電灯照明を全点灯するといったようなボタン1つで済ます過ごし方を選択することになります。
そのため多くのパッシブ建築において、設計コンセプトに「エコ」や「省エネ」を謡っていても、適切に運用されないことで実際はエネルギー使用量が増加していることが多くあります。
この現状は、竣工後の使用者の運用方法、意識の持ち方の問題であり、設計側や現場での対応範囲ではないという認識があります。
みっつデザイン研究所では、建物を使う人や施設管理者に対して、エネルギー使用実態や室内環境の実測データ等を根拠として示しつつ、暖冷房や電灯照明の効果的な使い方や、季節に合わせた窓の開閉方法など、自然を活かす暮らし方を伝えたり、自分たちで考えたりする場を設けることで、建物の使い方を変えていくことができると考えています。
住環境教育として、小・中学校の総合的な学習の時間に行う環境学習ゲスト講師、環境学習のカリキュラム化等の学校に対する支援経験があるため、特に教育施設を得意としています。建築のことが分からない人にむけて分かりやすい勉強会の企画と、エコスクール施設を教材とした環境学習の実践に向けた支援までを行うことができます。
■進め方のイメージ
学校を最先端のエコスクールとして建設しても、それを使う教職員や児童生徒が、技術の意図、使い方を理解していないと、技術の効果は発揮できません。
勤務する先生が数年ごとに移動する学校という施設においては、そういった知識や使い方の情報共有はとても難しいのが実情です。
そこで、佐藤エネルギーリサーチさんに協力する形で、これまでいくつかの学校でそういった課題に向き合ってきた経験を生かして、学校全体で情報を共有して、適切な使い方を継承するためには、設計時に何をどうしておくべきか、、といったことを調査してまとめました。
調査対象は、新川崎地区の新設小学校で、文部科学省の「スーパーエコスクール実証事業(平成26年度)」として実施しました。
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(報告書の概要版を見ることができます。)
報告書の全体像はこちら →
(佐藤エネルギーリサーチ株式会社のホームページからダウンロードできます)
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